Nexdataは2011年よりAIプロジェクトに高品質な学習データを提供してまいりました。画像・動画・点群などの多様なデータに対応し、これまで1万件以上のアノテーション案件を遂行。特にインフラ・スマートシティ分野では、道路・橋梁・トンネルの自動点検AI開発を強力に支援しています。
今回は、道路維持管理AIの開発を目的とした大規模アノテーションプロジェクトについて紹介します。1か月という短期間で10万枚の道路画像に対し、35カテゴリにわたる高精度アノテーションを完了。現実環境下での誤検出を抑えるために、クラックと影・水たまりの峻別や、嵌套構造の正確な分離といった高度な判断力を求められる案件でした。
プロジェクト概要
本プロジェクトでは、以下のような対象を網羅的にアノテーションしました:
損傷類:縦方向クラック、横方向クラック、網状クラック、ポットホール(陥没)
補修跡:条状補修(縦・横)、塊状補修(規則/非規則)
道路付帯設備:マンホール蓋、ガードレール、中央分離帯の植栽、防眩板、各種カメラ・信号機など
ノイズ類(非病害):車輪跡、水たまり、影、散乱物、継ぎ目など
特に「クラックと影の区別」「補修跡と本物の病害の分離」など、AIが誤検出しやすいケースへの対応が鍵となりました。
データアノテーションの課題と解決策
複雑な要因下での判別精度
道路画像にはクラックと見分けがつかない影・水たまり・印刷ラインなどが頻出。
→ 明確なガイドラインを制定し、「識別可能な病害のみをアノテーション対象とする」方針を徹底。曖昧なサンプルは除外し、AIの誤学習を防止。
嵌套(ネスト)構造の正確な分離
縦クラック+ポットホール+補修跡が重なるケースが多数。
→ 各カテゴリを独立かつ重複許容でアノテーション。AIが多タスク学習可能なデータ形式を採用。
多様な形状・サイズへの対応
クラックは数cmの短線から数mの連続クラックまで、ポットホールも大小さまざま。
→ 可変サイズのバウンディングボックス+属性ラベル(深さ・形状など) で情報を細分化し、学習データの表現力を向上。
品質担保体制
本プロジェクトの高品質を支えたのは、以下の三本柱です。
専門チームの構築
インフラ点検や道路画像に関する類似プロジェクト経験を持つアノテーターの中から厳選し、専門的な研修と筆記・実技試験を通過したメンバーのみでチームを編成しました。
AI支援アノテーションプラットフォームの活用
Nexdataが自社開発したプラットフォームでは、AIが初期バウンディングボックスやカテゴリ候補を自動提案。アノテーターはその微修正に集中できるため、作業効率が30%以上向上し、人的ミスも大幅に低減されました。
三重品質チェック体制
「セルフチェック → 専門家によるチェック → 最終品質審査」の3段階フローを導入し、漏れ・誤り・属性不一致を徹底排除。10万枚規模でも全体誤ラベル率を0.3%以下に抑えることが可能でした。
本プロジェクトから活用可能なノウハウ
短期・大規模案件における品質・効率両立モデル:専門チーム+AI支援+三重検品で実現
これらの知見は、道路だけでなく鉄道・橋脚・トンネル内壁などのインフラ点検AI開発にも即応用可能です。
道路点検AIの高品質学習データでお悩みの方は、ぜひNexdataまでお気軽にお問い合わせください。
インフラ分野に特化したアノテーション設計と10年以上の実績で、貴社のAIプロジェクトを強力に支援いたします。
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必要に応じて、クライアント名の非公開対応や技術用語の調整も可能です。