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【AI最前線】MLLMを分かりやすく解説!求められる高品質データとは?

発信者:Nexdata 日時: 2025-07-31

はじめに

 

マルチモーダル大規模言語モデル(Multimodal Large Language Model、以下MLLM)とは、テキストに加えて画像、音声、動画、センサーデータなど、複数の情報形式(モダリティ)を統合的に処理・理解・生成できるAIモデルのことです。

 

MLLMはどのようなタスクに対応可能?

 

MLLMは、単なる「文章の理解」にとどまらず、「画像を読み取り」、「音声を聞き取り」、「映像の動作やシーンを把握する」といった、複数のモーダリティを横断的に理解する能力を備えています。

 

このようなクロスモーダルな理解能力により、MLLMは以下のような高度かつ複雑なタスクの実行を可能にしています:


画像キャプション生成(Image Captioning):入力された画像に基づき、内容を説明する自然な文章を生成。

視覚的質問応答(Visual Question Answering, VQA):画像と質問を入力として受け取り、画像に関する適切な回答を生成。

クロスモーダル検索(Cross-modal Retrieval):テキストから関連する画像を検索する、またはその逆といった、異なるモーダリティ間での情報検索。

映像理解(Video Understanding):動画に含まれる動作、人物、シーンの把握と意味解析を実行。

 

MLLMは、自然言語処理(NLP)、コンピュータビジョン(CV)、音声認識(ASR)、映像分析といった複数の先端分野にまたがって活用されており、幅広い応用可能性を有しています。


LLMMLLMの違いは?

 

データの種類:

LLM: テキストデータのみを使用。

MLLM: 複数のデータタイプ(テキスト、画像、音声、動画)を統合して処理。

 

対応可能なタスク:

LLM: テキスト生成や自然言語処理に特化。

MLLM: 複数メディアを扱い、例えば画像を使った説明生成や音声認識といった高度なタスクを実行。

 

利用例:

LLM: テキストベースの質問応答や文章生成。

MLLM: 画像に基づいた説明文の生成や、動画とテキストの同時処理など。

 

MLLMの活用シーンは?

 

製造分野

 

製造業・ロボティクスでは、設計図や点検画像を読み取り、故障の兆候を検出したり、メンテナンス指示を生成するといった用途に活用されています。


産業用ロボットのシーンにおいては、MLLMの活用によって、周囲の環境をカメラで認識し、自然言語による指示(「あの赤い部品を取って」)に応じて動作するような、人間とロボットの自然な協働も実現可能です。

 

ビジネス分野

 

オフィスや企業の業務においても、マルチモーダルLLMは作業の自動化と省力化に役立ちます。社内に散在するスライド資料、設計図、点検記録、不具合報告書などの画像やPDF文書を読み取り、その内容を要約したり、関連情報を検索・抽出したりするタスクを自動化できます。


さらに、社員が自然言語で「先週の点検で赤い警告が出ていた機械はどれ?」と質問すると、MLLMは点検画像や記録から該当する情報を特定して回答するなど、莫大なデータから情報抽出・要約してくれます。活用したところ、資料の調査や報告書作成にかかる人的負担が大幅に削減され、業務効率が50%以上向上できると思われます。

 

教育分野

 

教育分野では、教科書の図版や実験の動画から自動で解説文を生成する教材作成支援や、視覚障害者向けに画像内容を音声で説明するアクセシビリティツールとしての活用が進んでいます。学習のシーンにおいては、教育知識を学習したMLLMは、画像と音声を組み合わせたインタラクティブな学習体験を提供することがあります。

 

医療分野

 

医療分野では、X線やMRIなどの医療画像を入力として、異常部位の指摘や診断レポートの草案作成を支援するシステムの開発が進められています。視覚的質問応答(Visual Question Answering, VQA)機能を使えば、「この肺の影は悪性の可能性がありますか?」といった専門的な質問にも回答できるようになり、医師の負担軽減に貢献します。

 

自動運転分野

 

その他の応用例として、自動運転における周囲環境の理解、サプライチェーン管理における書類(請求書、納品書など)の画像読み取りと情報抽出、宇宙開発における設計プロセスの自動化など、複雑な判断を必要とする場面での活用が進んでいます。

 

マルチモーダルLLMに必要なデータセット

 

マルチモーダルLLMの性能は、学習に用いるデータセットの質と量に大きく依存します。モデルが「画像とテキストの関係」を正しく学習するためには、大量の高品質なペアデータ(例:画像+キャプション、音声+文字起こし)が必要です。

 

マルチモーダル指令調整(MIT)に必要なデータ

 

主な学習タスクの一つに、マルチモーダル指令調整(Multimodal Instruction Tuning, MIT) があります。これは、画像やその他のモダリティを入力として、それに基づいた自然言語の指示(プロンプト)とその正しい出力(回答、説明など)のペアからなるデータセットでモデルを微調整する方法です。

 

従って、モデルは「画像に写っている動物は何ですか?」といった視覚的質問応答(VQA)や、「この図を使って説明してください」などの指示に従う能力を獲得します。データセットとしては、画像とキャプション、画像と質問・回答の組み合わせが必要です。日本語特化のモデル開発では、日本語のキャプションが付いた画像データセットが重要です。

 

視覚的文書理解に必要なデータ

 

視覚的文書理解のタスクでは、スキャンされた文書画像(PDFなど)を入力として、その中に含まれるテキストや構造を理解し、質問に答えたり要約したりする能力が求められます。これには、文書画像とその内容に関する質問応答ペアが使用されます。

 

推論能力の強化に必要なデータ

 

さらに、マルチモーダルな思考プロセスの学習も重要です。これには、マルチモーダル・チェーン・オブ・ソート(M-CoT) があり、モデルが画像を見て推論する際の思考過程(ステップバイステップの理由付け)を含むデータで学習させます。これにより、モデルの回答の信頼性や説明性が向上します。

 

NexdataではMLLM活用可能なデータセットを開発

 

MLLMの進化を支えるために、Nexdataは常に学習データベースを拡充しております。如何に、MLLMに活用可能なデータセットをカテゴリー別に紹介します。

 

a.10万枚13種言語文書記述・QAデータ (英語、日本語、ヒンディー語、インドネシア語、マレー語、ベトナム語、タイ語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語

 

b.100万件汎用シーン画像記述データ。風景・工業・建築など多カテゴリの画像に英語説明付き。視覚+テキストを統合するモデルに最適です。

 

c.12万件画像理解推論QAデータ。芸術、工学、医学など6つの主要分野と複数の細分分野における専門的なテキストと画像の問題(例:グラフ、工学図面、芸術作品分析など)を収録。各問題は専門スタッフによる品質検査を実施。

 

d.6,584件文書解析データ。多様な種類の書類と検査報告書を網羅。画像内のテキストを元のレイアウト通りに転記しています。

 

e.2万枚の生活シーン画像記述データ。都市の街並み、展示会、家庭環境など多様なシーンが含まれており、複数の時間帯と撮影角度をカバーしています。

 

f.10万件の図表画像の記述・QAデータ。画像の内容に対して、中国語または英語での構造化記述と質問応答のラベル付けを実施しています。

 

g.2万枚俯瞰視点人体記述データ。18歳~60歳以上のアジア系人種、多様な収集環境と季節。英語で、通常35文から構成され、人物の性別、年齢、服装、髪型、身体の向き、姿勢などについて主に記述す。

 

h.2万件のレシピ画像記述データ。中華料理、西洋料理、韓国料理、日本料理など。記述言語は中国語と英語です。

 

i.車両属性画像記述データ。監視カメラ映像から取得した画像に対し、英語で車種・色・方向を記述。交通ビジョンと自然言語統合型モデルに適用可能。

 

まとめ


マルチモーダルLLMは、テキストに加えて画像や音声など複数の情報を統合的に処理できる次世代AI技術です。  これにより、医療や教育、製造などさまざまな分野で、より自然で直感的な人間とのインタラクションが可能になっています。 しかし、その性能は高品質なマルチモーダルデータセットに大きく依存しており、特に日本語環境ではデータ整備が遅れているのが現状です。  


今後の発展には、正確にアノテーションされた大量のデータに加え、ドメイン特化型のデータセットや人間による評価データの整備が不可欠です。  また、倫理的で安全なデータ収集プロセスも重要な課題です。こうした背景から、Nexdataのような専門的なデータプロバイダーの役割は、信頼性の高いマルチモーダルLLMの実現に向けて極めて重要となっています。

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