発信者:Nexdata 日時: 08/14/2025
領収書OCRで日本企業が直面する最大の課題は、「精度向上以前に、学習用データが集められない」ことです。
特に日本市場では、次のような障壁が顕著です。
・個人情報の壁:領収書には氏名・住所・電話番号・カード番号の一部などが含まれるため、社内規程や個人情報保護法により外部持ち出しや共有が難しい。
・権利・同意取得の難しさ:消費者や取引先からの同意取得、発行元店舗やチェーンとの調整が必要で時間と労力がかかる。
・フォーマットの多様性:POSや発行端末によってレイアウト・フォント・表記ルールが異なり、短期間で変更されるケースも多い。
・撮影条件のばらつき:スマホ撮影が主流のため、斜め撮影、影、反射、しわ、汚れ、小さな印字など多様なノイズが発生。
・日本語特有の表記混在:漢字・かな・英数字・通貨記号(¥/円/JPY)の混在、半角全角差、小さな注記などがOCR精度を下げる要因。
こうした現場事情から、多くの企業は自前で大量の実データを集めて学習させることを断念し、汎用OCRをそのまま利用して誤認識対応に追われています。
そこでNexdataは、日本市場の課題を踏まえた「13カ国・100,000枚レシート画像データセット」を提供しています。このデータは、日本語を含む13言語の領収書・チケット画像を収録し、現場に即した多言語OCR学習を可能にします。
■ データ概要
総数:100,000枚(各国8,000枚)
言語:日本語、英語、中国語(簡体・繁体)、韓国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ロシア語、タイ語、ベトナム語、ヒンディー語、マレー語、インドネシア語
種類:スーパー、飲食、交通、ホテル、入場券など
撮影条件:スマートフォン撮影(水平・斜め・見上げ構図を含む)
解像度:200万画素以上
■ 日本市場における優位性
1. 日本語+英数字混在データを多数収録し、日本語OCR特有の表記ゆれや混在問題に対応。
2. 実際のスマホ撮影環境を再現し、影・反射・皺など現実的なノイズに強いモデルを学習可能。
3. 業種横断のフォーマットを網羅し、スーパーからホテル、交通まで幅広い業務ユースケースをカバー。
4. 多言語混在に対応し、インバウンド需要や越境EC、海外出張精算にも適用可能。
■ 導入効果(現場メリット)
データ収集や同意取得の負担を大幅軽減し、学習準備時間を短縮。
ノイズ耐性を事前に学習させることで、本番運用時の誤認識率を低減。
多言語対応機能を短期間で立ち上げ可能。
■ カスタム対応例
匿名化・個人情報除去済みサンプルの提供
項目抽出や店舗別タグ付けなどの追加アノテーション
特定業種やチェーン向けの追加収集・データ作成
OCRデータセットはこちら:https://jp.nexdata.ai/datasets/ocr
日本市場では、「必要なデータを用意できるか」がOCRプロジェクトの成否を左右します。領収書OCRの精度を本気で上げるには、現場に近い実データによる学習が不可欠です。Nexdataのこのコレクションは、その第一歩を短期間で踏み出すための現実的なソリューションです。